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選曲

今も昔も、生徒が子供であれば、特に選曲で悩むことはない。

 

だって、未就学児や小学校低学年の子が、

英雄ポロネーズを次の発表会で弾きたい」

なんていうはずがない。

もっといえば、生徒である彼ら、彼女らは、世の中に存在するピアノ曲を大人ほど知らないのです。

 

なので、教本も発表会の曲も、指導者主導で選曲される。

せいぜい、指導者から提示されたいくつかの選択肢から選ぶにとどまる。

 

  尚、ここでは「外野」である保護者は考慮しない。

  子供の発表会の選曲が不満でどうのこうの、というのは「知恵袋」あたりに

  いくつも転がっているが、あんなのはたいてい子供本人ではなく親の見栄とか

  わがままとかであって、子ども本人の意思(であるかのように書いてあっても)

  とは無関係なので。

  普通、発表会の選曲なんて、曲かぶりを回避しつつ選曲するのだから

  指導者に一任するしかあるまし。どんだけモンペなんだか・・・。

 

話を本題に戻しましょう。

つまり、子供のピアノ教室で、小さな子供にとっては、選曲が問題になることは(指導者と生徒本人の間では)ないといってもいい。

 

そのまま、生徒のピアノ歴において、長期の中断経験もなく、ほぼ一直線に成長を重ねていくことになる。(成長度合いなどは個人差はあるにせよ・・・)

 

選曲がいろいろ面倒になってくるのは、子供が成長し「これが弾きたい」と明確な意思を持つあたりからだろうと思う。この時点で、小さい頃から継続して通っている教室だと、指導者と生徒には、5年とか10年とかの歴史があり、指導者は生徒の技術や志向を熟知しているし、指導者と生徒の間で信頼関係ができているし、それまに、良いことも悪いことも経験してきているだろうから、ある意味、ストレートに話せもするでしょう。

 

ところが、多くの大人再開組は、長い長いブランクの末、技術もおぼつかなく、しかも再開してつく先生は初対面の先生だったりすることが多い。しかし、大人は嗜好面では子供よりも明確であるし、希望もはっきり言う。しかし、指導者との間の人間関係、信頼関係という面では、まだまだ「これから」の部分が大きいはず。

 

一度の体験レッスンですべてがわかるなんてこともなく、レッスンを始めてから、徐々に作り上げている面が大きい。

 

指導者は「基礎をしっかりやったほうがいい」と思っていても、生徒側は、いますぐにでも憧れの曲を弾きたい・・・。そのギャップが往々にしてあるように思う。

 

ここで、大人の再開組のレッスン経験が少ない指導者は「基礎ができてないのに、こんな大曲弾くなんて身の程知らず」的な見方をしてしまい、その生徒が入会してきたときに持っていたすべての曲をとりあげてしまったらどうだろう。

少なくとも体験レッスンの時に弾いていた程度の曲は弾きたいと思うのが人情じゃないだろうか。

この段階で、生徒のモチベーションは大きく崩れてしまう。

そして、指導者がその生徒に与える曲が、本人が希望する大曲とはくらべものにならない単純な楽譜、動画を探せば足台使ってる子供が演奏する動画しか出てこないような曲、例えばわずか2ページ、1分の曲だったら?

すでに、生徒のモチベーションは崩れているので、そのような曲が選曲されても、成果が期待できるはずもない。

なので、たった2ページ、1分の曲でも、いつまでたっても仕上がらない。

1ヶ月経ち、2ヶ月経ち、3ヶ月経ち、4ヶ月経ち・・・

結果は容易に想像できると思う。

 

大人の再開組の場合、選曲は子供の生徒とは比較にならないくらい重要なもの。

指導者と生徒は、それを介してレッスンをするのですから。